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  • 沿道の応援を味方に

スタートの混雑をすり抜けて一般道に出て程なくして、気がつくと横にしゅう子さんがいる。このペースでいいのか尋ねられた。たぶん、「少し速いと思う」と答えたはず。今までのコースと違って、今年のコースは最初の数キロが上りになっている。「上りですよね。」と聞かれた。「大丈夫、もうすぐ下りになります。」
1キロごとの表示でスプリットタイムを見ると、キロ5分10秒弱。上りでこのペースならOKだ。下りに入って、スプリットは4分45〜55秒前後。オーバーペースだけは気をつけなければいけない。
夏の名残りの太陽が頭上を照りつける。暑い。でも、ここでへばっていてはここから先の40キロ弱を乗り切れないのた。我慢、我慢。練習でもこれくらいの暑さで走ってきたんだという経験値だけが頼り。でも、スピードを落とす事はできない。しゅう子さんが、「関門大丈夫でしょうか?」「全然大丈夫!」

5キロ通過 0:24:37

日ざしはなかなか弱まらず、暑い。そのせいか、スピードの割りに心拍数が高い。でもここであせってはいけない。
給水所は、すでに修羅場状態。手前のテーブルはすでにコップがない。ここで水を取り損ねると致命傷。こんな事もあろうかと手には小さなボトルを持っていた、5キロは持参のドリンクを少し飲む。キープペース。これ以上遅くも速くもなってはいけない。得意な下りだと自分に言い聞かせて走る。でも、暑い。しゅう子さん、時々ペースを気にする。
キロ5分弱〜5分5秒。
平岸小学校のスクールバンドの演奏が今年も聞こえてきた。毎年この子たちの力一杯の応援を聞いて、急にパワーがみなぎってくる場所だ。

10キロ通過 0:49:39(split 25:02)

10キロ給水。今度は手に持っていたボトルを置いて、水をつかむ。ごくん。冷たくてうまい。さらに奥のテーブルでコップをつかんで、足と首筋に水をかける。後から来る人の事を考えるとあまりたくさんの紙コップを一人で使ってしまってはいけないのだけれど、とにかく冷やさなければと水をかぶる。この辺りから体が楽になってきた。スプリットは5分10秒くらい。
道路の左側から、「こうめさ〜ん」という声が聞こえた。はっとして見ると、大きな紙に「こうめさん」と書いてある。そして隅っこに「直人」。キャンパーの直人さんだ。わざわざ紙に名前を書いて応援してくれるなんて感激だ。元気が出た。そして、地下鉄北海学園前前では、ファミリーマラソンに参加したyossy夫妻が応援してくれた。元気が出た。
一条大橋を渡って、15キロポイントだ。

15キロ通過 1:14:47 (split 25:08)

15キロの給水を目の前にして、ランパンのポケットに入れたカーボショッツを取り出した。口に流し込んで水のカップを取る。15キロから5キロごとにカーボショッツでエネルギー補給をする作戦だ。地下鉄東区役所前のあたりで、ゆかた姿のますやさんが大きな声で「こうめさ〜ん」と呼んでくれた。こあきさんと姿煮さん夫妻はバイクで神出鬼没。大きな声の声援がうれしい。しゅう子さん、ぴったり横についている。
北24条通りに入って、友だちのパン屋「島田屋」の女主人がカメラを構えて応援してくれた。地下鉄北24条駅付近では、応援の人垣が出来ていた。北大農場前を通過。まだまだいける。

20キロ通過 1:40:32 (split 25:45)
中間点 1:46:15

中間点を過ぎて、左臀部の奥が少しうずくようになってきた。実は大会前10日くらいから、今まで痛くなったことのない場所の臀部の奥が鈍く痛くなった。直前まで、寝る時はその部分に湿布を貼っていた。あとで、聞いたところによると、臀筋のオーバーユースだそうだ。でも、このくらいの痛みでペースを落とすわけにはいかない。もっと大変な状態でも頑張っている人もたくさんいるはず。20地点では、アミノバイタルの粉末を口に入れる。これを飲むとかならず数十分後には元気を盛り返す。 まだ会った事のない「和」さんと思われる人が、「こうめさん!」と声をかけてくれた。すぐ、あっ、和さんだとわかった。握りこぶしを作って頑張れと言ってくれている。頑張るぞ!ちょっとつらいけど。
先頭ランナーが折り返してくる。この地点で先頭の男子は黒人のランナーのようだ。そして女子はチバちゃんぶっちぎり。思わず声を出す。横にいるしゅう子さんはランナーが来るたびに大きな声で声援を送っている。私にはその余裕はない。とにかく歯を食いしばって走る。

25キロ通過 2:06:22 (split 25:50)

この頃だったか、となりのしゅう子さんが、「こうめさん、今日は3時間30分で走るんですよね?」と聞いてきた。
「いや、とんでもない。今日は無理です。3時間45分くらい。先に行っていいですよ。」
「いえ、私も完走できればいいんです。」と言ってたけど、申し訳ないことしたかな。その後もしゅう子さんが横にぴったりいてくれたお陰でペースを落とせない。もし一人ならもう少しペースを落としていたかもしれない。我慢だ。
25キロすぎで、両親が応援に出てくれていた。前日のリクエストでみかんを食べたいと言っていたので、皮をむいたみかんを数房手の中に握り締めていてくれた。近寄って受け取って口に入れた。冷たくなくて、ちょっとあったまっていたけれど、何だかうれしかった。
の頃から、遅れだした仲間のランナーを追い越すことができるようになってきた。調子が悪そうだ。
そして、第一折り返し地点まで来た。たくさんのランナーが反対側を走っている。赤いユニフォームを見つけて手を上げる。第二折り返し手前で、反対側にふれっぷさんがいる。快調そうだ。顔は笑顔だし。第二折り返しを過ぎて、橋の登り下りを走っているときに、なにやらいやな予感。足の後ろ側がピキッと言っている。あれ?これってこのまま行ったら、足が攣る?


左写真)まゆちゃん提供・・まだ笑顔を返す余裕がある?

 

30キロ通過 2:32:31 (split 26:09)

やばい!なるべく足に負担をかけないように蹴りを小さくしてすり足で走る。だましだまし。ここで落ちたら負け。再び、母親からみかんをもらって先に進む。
ichanが前に見えてきた。えっ、あのichanがどうしたんだ?思わず「ichanどうした?」と声をかける。足に来ているらしい。「ゆっくり行きましょう。」とか言ってる。30キロで飲んだアミノバイタルが効いてきた私は一瞬ichanを追い越す。でもすぐまた抜き返される。そりゃそうだ。走力違い 過ぎ。再び握りこぶしの「和さん」の声援を受けて35キロ通過。

35キロ通過 2:59:13 (split 26:42)

ここでしゅう子さんが先に行った。我慢していたのかもしれない。あとは一人で最後の7キロ踏ん張る。足が攣らないように気をつけながら走る。ここで攣って止まってしまったら完走だって危うい。35キロすぎで、キャンプ仲間のchicchiさんが声をかけてくれた。もうあとは何としてもゴールまで行くしかない。短いようで長いあと7キロ。普段の練習なら7キロなんてあっという間なのに、フルの最後の7キロはきつい。でもみんな同じ距離を走っているわけだし、自分だけつらいという事ではないはず。ペースを落としすぎないよう、足が攣らないよう、細心の注意を払って走った。
ichanには、何度か追いついたけれど、すぐ先に行かれてしまった。
北大横で、おおひろさんがいる。あれっ?残念ながらリタイアだったのか。疲れているのに応援ありがとう。
この頃雨が降ってきた。応援の人にとっては迷惑な雨だけれど、走っている私たちにとっては恵みの雨。体に冷たいシャワーが気持ちいい。 こうなったら、めったに引き出しから出さない「根性」出すしかないか。

40キロ通過 3:27:14 (split 28:01)

40キロを通過して関門はもうない。あとは北海道マラソンのヴィクトリーロードを走るだけだ。40キロのタイムを見て、もしかしたらと思いついた。3時間40分を切れるかもしれない。でも、もう足は限界。ちょっと間違うと攣ってしまいそうだ。
駅前通りを中島公園に向って走る。いつの間にか雨は上がっている。最後の力は残っている。こうなったら必死。
中島公園に入っても気を抜くことはできない。なんたって、3時間40分超えると超えないではずいぶん雰囲気が違う。中島公園に入ってからの600メートルが長い。
いよいよ、ゴールの時計が見えてきた。切れる!最後のスパート。ゴ〜ル〜!!ホッとした。
ゴールを通過する時ビデオにうまく写るように両手をあげなくちゃとか考えていたのに・・・。そんな事はすっかり忘れていた。ホッとした。自分で自分によく頑張ったねと話しかけた。
ゴールの向こうには虹が見えていた。ようやく解放された。うれしい。
フルを走った後のこの解放感がなんとも何ともいえないのだ。




 

 




写真右・左・・・たあ坊さん提供


ゴールタイム 3:39:41 セカンドベスト
ゴール前の映像はこちらから (ナンバー 5080を入れてください)

ゴール後荷物を受け取りに行くと、そこに少し前にゴールしたしゅう子さんがいた。完走おめでとうとお互いに称え合った。

沿道で応援してくれた多くのみなさん。大きな声で名前を呼んでくれてどうもありがとう。みなさんのお陰で完走する事ができました。
直人さんご夫妻、yossyさんご夫妻、こあきさん、姿煮さん、まゆちゃん、島田屋島田さん、トン子さんnaviさん奥様、sandyさん奥様、こずえさん、えびさん奥様、ひろぴょん さん奥様、和さん、chicchiご夫妻、おおひろさん、yuchan。
それから私の両親も。皆さんに、感謝します。声をかけてもらったらその後は必ずペースが少し上がりました。

この日のコンディションを考えると上出来だった。2004年の自己ベストには及ばなかったけれど、自分では今年の方が走ったという実感を持つことができるレースだった。
フルマラソンは何回も走っているけれど、今回のように我慢してペースをキープしたことはなかった。いつも、楽なほう、楽なほうへと流れてしまって、その結果のタイムだったのだ。今回は、落として楽になりたい気持ちをじっと我慢して走った42キロだった。残念ながらそんな気持ちとは裏腹に実際のタイムは30キロすぎて足が攣りそうになってからは、どんどん落ちていたけれど、自分ではこれが精一杯。次のレースは、後半の落ち込みを少しでも少なくするような走りをしてみたいと思う。それには、どんな練習をして、どんな風に当日までのコンディションを整えていくか、考える事がたくさん。マラソンは準備から本番まで気を抜けない知的なスポーツだから止められないのかもしれない。
さあ、次だ〜!

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