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あの日の翌日から空が秋空に変わった(ような気がした)。

毎年、北海道マラソン翌日の新聞を楽しみに見ている古い友人たちがいる。何年も会っていなくても必ず新聞で私の名前を探してくれて、完走おめでとうのメールをくれる友たち。
今年は、数日たってから「名前がなかったけど・・・」という控えめなメールだった。

今年の夏は、ここ数年の北海道マラソン前とはなんだかちょっと違っていた。気分が乗らない。
そこそこ練習は出来ていたけれど、だからいけるという感覚がなかった。
数日前には、強気でいくぞと自分を盛り上げてみたものの・・・。

前日、いつものように温泉に入って髪を切って、自分がすべき準備をすべて終えて、受付会場へ向かった。受付を終えて、いつものようにゴール地点まで歩いていった。いつもは、すっかり出来上がっているはずのゴールがまだ完成していない。中島公園入り口のゲートもない・・・。
どうも自分のゴールがイメージできない。

レース当日・・・

朝は、いつものように雑煮を食べて、おにぎりと文明堂のカステラを持参して真駒内へ。いつもの時間にいつものようにそれを食べて、いつものうよに競技場へ入って、いつものようにスタートを待った。
・・・すべていつものようにやることで、自分を落ち着かせたかった。

でも、いつもと違ったことがいくつかあった。
出かける間際に、胃が痙攣したようにギュッと縮まった。なんだ?びっくりしてしばらく胃の辺りを抱えてじっとしていたら収まった。きっと緊張してるんだ。忘れよう。そう思った。
もう一つ。毎年応援に来てくれていた夫が今年はいない。だからどうだということもないけれど、なんだかちょっと寂しい。一人で、バスに乗り、 JRに乗り換え、そして地下鉄に乗って真駒内の会場に向かった。

いつもの場所で、いつものように仲間と会って少し気持ちが落ち着いた。去年よりも気温は低かったはずなのに、なぜか湿度の高さが気になって暑さを感じていた私。
でも、そんな事は口にしなかった。
3日前から肩こりがひどくて、背中まで張っていたり、前の日の温泉まで走ったときの異常なほどの足の重さも口にはしなかった。マイナス要因を口にしてしまうと、チャンスの女神は逃げてしまうから。

スタート前、カステラ食べ過ぎたのか胃が重かったけれど走り出せば軽くなるだろうと思っていた。
今年の競技場内は陸連登録者のみなので、なんだかがらんとした感じだった。軽めにアップしてスタート時刻になり、号砲が鳴った。

最初の5キロは、これもいつものようにペースが速めだったけれど、そんなに無理な感じでもなく気にしなかった。
5キロをすぎて下りになり、平岸小学校のスクールバンドの演奏に笑顔で手を振りながら走っていった。
とにかく笑顔を作ろうと思った。体調の悪さを笑顔でカバーしようとしていた自分がいた。

沿道の応援にも笑顔で答える余裕があったのは、15キロくらいまで。
足の調子よりも内臓の調子が気になる。15キロの給水で、最後のテーブルのスポーツドリンクを取ろうとコップに手をかけた。

が・・・するっと落ちた。取れなかった。ここで何かが終わった感じがした。

17キロ給水所では水を一口飲んで、あとは首筋や腕や足にかけて走った。今、 思えば体の中に入れた水はごくわずかだったようだ。体にかけた水で自分は充分に給水していると勘違いしていたのかもしれない。

この頃から急に喉の渇きを感じてきて、まずいと思った。
そして18キロすぎに胃が痙攣した。
やばぃ!
もう沿道の応援など何も目に入らない。とにかく前だけを見て走る事に集中しようと思った。

     けーぜさんのお母様提供

20キロの給水までが何と遠く感じたことか。アミノバイタルを口に含んで水を飲み込んだ。これで少しでも楽になれば・・・。
でも、今度は水分を吸収しなくなってしまっていた。吐き気が襲ってきた。まだ半分も来ていないのに。

20キロすぎてから、急速にスピードが落ちていった。中間点過ぎたすぐの所に、母の姿を見つけた。
今年は家から一人で応援に来てくれているのがわかっていたので、何としてもそこまでは行きたかった。
母からいつものリクエストの「みかん」を受け取って口に入れた。
もうだめだった。吐き気が襲ってきて吐いてしまった。水分が胃のなかから出てきた。
身内の姿を見て急に弱気になった。すぐ横の救護の方に少し休みたいと申し出た。

しばらく葛藤した。まだ時間はたっぷりある。完走することはぎりぎりできるかもしれない。
でも・・・気持ちが維持できそうにない。
半分走って私の2007北海道マラソンは終わった。
ゼッケンをはずして、しばらく沿道に座って通り過ぎるランナーに声をかけた。OgamanさんやNAOMIさん、NAOJIさん、ichanの姿を見つけて声をかけた。みんな私を見て「あれっ?」という顔をしている。
そう、まだたっぷり時間はあったのに・・・。

その後35キロの救護テントに運ばれ、点滴を受けてようやく復活した。
点滴が終わった頃、すぐ外では35キロ関門と葛藤しているランナーの姿があった。

その後の体調回復を考えると半分でやめて正解だったと言ってくれる人も大勢いたけれど、自分の中では自らレースを中断してしまったことにしっくりこない何かが残ってしまった。

これで北海道マラソン勝率、4勝5敗。またしても黒星先行になってしまった。来年はぜったい5分に戻さなくちゃね。

20キロまでの5キロごとのスプリット&ラップ
0-5K   23:48 
5-10K  23:59(47:47)
10-15K 24:27(1:12:14)
15-20K 25:16(1:37:30)
 

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