ミーハーな話で申し訳ないが、当時(1900年)ホノルルマラソンに芸能人が走るテレビ番組が毎年のように放映されていた。それを見て私にもできるかもと思ったのが始まり。当時はまだ参加者が日本人の方が多いというところまではいっていなかったけれど、12月の第2週のホノルル便は、マラソンツアーの日本人でいっぱいだった。
それまでに、走った最長距離は10キロ程度。まったく無謀な日本人の典型だった。制限時間がない。いつまででもゴールは開いているという安心感が、たいした練習もせずに初フルを迎えるというお気楽モードに拍車がかかってしまったのだ。
ホノルルのスタートは、朝が早い。まだ暗いうちから集合場所に行かなくてはいけない。ほとんど一睡もせずに、ツアーで用意してくれたおにぎりやバナナを食べて、スタート地点に向かった。かなりの長時間待ってようやくスタート。それまで日本で経験したマラソン大会とは全く違った雰囲気がとても楽しかったのを記憶している。
ウエストポーチにバナナとカメラを入れて、ほとんど観光モード。その年の秋に膝を痛めていたこともあって、走りこみは全く不十分。現地で開催された日本人向けの事前クリニックで、初めてフルを走る人であまり練習をしていない人は、最初から30分走って5分歩きなさいと指導を受け、その通りに足を進めた。
けれど、やっぱり体は正直。30キロ過ぎると足がいうことをきかず、歩いたり走ったりして、6時間弱の時間をかけてようやくゴールした。
練習せずに参加できるのはありがたいけど、初フルを完走した割には感動はなし。やっぱり、ゴールでウルウルするのは、その前のつらい練習があってこそだなと、お気楽モードで初めてフルを走った私は痛感したのだった。
その後も、初フルをホノルルでと大勢の日本人がつめかけ、とっても人気のある大会になった。でも、制限時間がないからといって、ろくに練習もせずにホノルルマラソンに走りに行くのをお考えの方はちょっと待ってよく考えてみてほしい。やっぱり初フルは、数ヶ月前からちゃんと練習して、42キロ走れる自信がついてから参加したほうが、ゴール後の感動は大きいと思いますよ。
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